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介護サービス事業者とは

介護サービス事業者とは、加齢よって生じる心身の病気等により介護が必要な状態となり、入浴や排せつ、食事等の介護、機能訓練そして看護や療養上の管理その他の医療を必要する方に対して、その方の状態に応じて自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービスや福祉サービスを提供する事業者をいいます。
介護サービス事業者には介護保険法に基づく介護保険事業者と介護保険が適用されない介護保険外事業者の2つに分けられます。

介護保険法では介護保険事業者として主に以下の7つの種類が定められています。

  1. 指定居宅サービス事業者
  2. 指定地域密着型サービス事業者
  3. 指定居宅介護支援事業者
  4. 介護保険施設
  5. 指定介護予防サービス事業者
  6. 指定地域密着型介護予防サービス事業者
  7. 指定介護予防支援事業者

介護保険事業者の収入は介護報酬として定められており、利用者は原則その1割を負担します。

介護保険適用外の事業としては、介護サービス付き高齢者住宅や高齢者向け配食サービスなどがあり、民間事業者による介護ビジネスとして介護保険法ではカバー出来ない分野において発展してきました。
特に介護サービス付き高齢者住宅については平成23年度より各都道府県による登録制度が始まっています。

介護報酬とは

介護報酬とは介護保険適用の介護サービス事業者が要介護者または要支援者の利用者に介護サービスを提供した場合に、その対価として支払われるサービスの費用のことをいいます。

介護報酬の額は各サービスごとに設定されており、各サービスの基本的なサービス提供に必要な費用に加えて、各事業所のサービス提供の体制や利用者の状況などによって加算または減算される仕組みになっています。

この介護報酬の算定の基準は、介護保険法により厚生労働大臣が社会保障審議会の意見を聞いて定めることとされていますので、改定により金額が変動することがあります。

介護報酬の支払いにはサービス提供の翌月10日までに介護給付費請求書および介護給付費明細書を事業所のある都道府県の国保連合会に提出します。

【介護報酬の支払いの流れ】

介護報酬の支払いの流れの図

※実際の介護給付費等の請求先・支払いは市町村との間に各都道府県の国民保険団体連合会(国保連)が入ります。

介護サービス事業者の指定

介護サービス事業者の指定とは

介護保険法上の介護サービス事業を行うには,運営する事業者の適正化やサービスの公平性・安全性の確保が求められるため、必ず都道府県知事または所在地の市区町村長の指定を受けなければなりません。

介護サービス事業者としての指定を受けるには都道府県知事または市区町村長に必要な書類を提出して申請します。

指定申請は介護サービスの種類ごとに行う必要があり、すでに指定を受けている介護サービスとは別な介護保険法上の介護サービスを行おうとする場合には、新たにその介護サービスについて申請を行い指定を受ける必要があります。

また、現在の指定を受けている都道府県または市区町村以外に事業所を開設し介護サービスを行う場合には、その事業所の所在地の都道府県知事または市区町村長に対し新たに指定申請を行わなければなりません。

指定申請を受けるには

介護サービス事業者として指定を受けるには主に以下の要件を満たしていなければいけません。

法人(株式会社や合同会社、NPO法人など)であること。
また、定款の「事業目的」に申請される事業が記載されていることが必要です。
※ただし医療系サービスは、病院、診療所での開設が基本となるため、法人格の必要はありません。

各介護サービスにおいて厚生労働省令で定める人員、設備、運営基準を満たしていること。
この要件は各介護サービス毎に定められていますので、申請時に十分に基準を理解した上で、事業計画を検討する必要がります。

指定申請の手続きの流れ

介護サービス事業所の開設するには、事業の開始予定日の最低1か月前までに,必要な書類を添付して申請を行う必要があります。
開設するサービスの種類によって,必要な書類が異なります。

申請の準備

事前相談

都道府県や市区町村の申請窓口では指定申請を行う前に申請に関する質問や事業計画の確認などを事前に相談することができます。
相談には事前の予約が必要な場合もありますので、相談を行う際には各窓口に確認をして下さい。

指定要件(指定基準)の確認

介護保険事業者として指定を受けるためには,厚生労働省令、都道府県または市町村の条例に定める人員,設備及び運営に関する基準を満たさなければなりません。事前に指定要件を確認しておきましょう。

図面協議

短期入所サービス(ショートステイ)や通所サービス(デイサービス・通所リハビリテーション)など,利用者へのサービス提供に関して建物の新築や改築が必要なサービスについては,事前に図面協議が必要となる場合があります。
図面協議の方法、必要書類等は自治体によっても違いますので、事前に確認が必要です。

指定前研修

自治体によっては新規で指定申請をする場合に、介護サービス事業を行ううえでの法令遵守や適切なサービス提供に関する事項、申請のための注意などについての指定前研修を受けなければいけません。
受講の対象は原則、申請する事業所の管理者に従事する予定の方または法人代表者の方となっています。

申請のスケジュール

  1. 事前相談(指定要件の確認)
  2. 図面協議(短期入所サービス・通所サービスの場合)
  3. 申請書・添付書類・その他届出の作成
  4. 申請
  5. 審査
    ※申請書等の記載内容に不備があった場合等は、電話等で確認の上、書類の再提出を求める場合があります。
  6. 現地調査(必要な場合)
  7. 指定

審査の結果、指定要件を満たすものと判断された場合に介護事業として指定されます。指定された場合は、申請者あてに指定された旨が通知されます。

申請書の提出(申請書が完備した状態で)から指定までの期間は各自治体によって違いますので申請の際に確認すると良いでしょう。

欠格事由

申請者および開設者(又は法人役員等)が次のような事項に該当する場合は,指定を受けることができません。

  • 禁固以上の刑を受け,その執行が終っていないか,今後執行を受けることがあるとき
  • 介護保険法その他国民の保健医療・福祉に関する所定の法律*1により罰金刑を受け,その執行が終っていないか,今後執行を受けることがあるとき
  • 労働に関する法律の所定の規定*2により罰金刑を受け、その執行が終っていないか、今後執行を受けることがあるとき
  • 指定の申請日の前日までに,社会保険料等について滞納処分を受け,かつ,当該処分を受けた日から正当な理由なく3月以上の期間にわたり,当該処分を受けた日以降に納期限の到来した社会保険料等のすべてを引き続き滞納しているとき
  • 指定を取り消され,取消日から5年を経過していないとき(取消し理由となった事実について組織的な関与が認められない場合を除く)
  • 申請者(法人に限る)と密接な関係を有する者(申請者の親会社等)が指定等を取り消され,その取消日から5年が経過していないとき(取消し理由となった事実について組織的な関与が認められない場合を除く)
  • 指定取消についての通知があり,その通知日から取消処分日・処分を行わないことの決定日までの間に事業廃止の届出を行い,その届出日から5年が経過していないとき(事業廃止の届出について相当の理由がある場合を除く)
  • 申請者が都道府県知事等による検査が行われた日から指定等の取消しの処分に係る聴聞を行うか否かの決定をすることが見込まれる日までの間に,相当な理由なく廃止届を提出した者で,その届出日から5年が経過していないとき
  • 上記⑦の事業廃止の届出を行った場合で、指定取消についての通知日前60日以内にその法人の役員等・法人でない事業所の管理者であった者で、その届出日から5年が経過していないとき
  • 申請前5年以内に居宅サービス・地域密着型サービス・居宅介護支援・施設サービス・介護予防サービス・地域密着型介護予防サービス・介護予防支援あるいはこれらに相当するサービスに関し,不正又は著しく不当な行為をしたとき
  • 役員等の中に、①~⑤、⑦~⑩のいずれかに該当する者がいるとき
  • 法人でない事業所が申請する場合に、その管理者が①~⑤、⑦~⑩のいずれかに該当するとき

※1国民の保健医療・福祉に関する所定の法律(令35条の2)
1.児童福祉法 2.栄養士法 3.医師法 4.歯科医師法 5.保健師助産師看護師法 6.歯科衛生士法 7.医療法 8.身体障害者福祉法 9.精神保健及び精神障害者福祉に関する法律 10.社会福祉法 11.薬事法 12.薬剤師法 13.老人福祉法 14.理学療法士及び作業療法士法 15.高齢者の医療の確保に関する法律 16.社会福祉士法及び介護福祉士法 17.義肢装具士法 18.精神保健福祉士法 19.言語聴覚士法 20.障害者自立支援法 21.高齢者虐待の防止,高齢者の養護者に対する支援等に関する法律

※2労働に関する法律の所定の規定(令35 条の3)
①労働基準法 ②最低賃金法 ③賃金の支払の確保等に関する法律

みなし指定

介護保険制度では、事業者からの申請に基づいて指定することになっていますが、介護保険法の指定申請を行わなくても、法令により指定されたとみなされる場合があります。これを「みなし指定」といいます。

施設名 みなし指定の要件 みなし指定される
サービスの種類
介護老人保健施設 介護保険法により許可を
受けている介護老人保健施設
①通所リハビリテーション
(介護予防含む)
②短期入所療養介護
(介護予防含む)
介護療養型医療施設 介護保険法により許可を
受けている介護療養型医療施設
①短期入所療養介護
(介護予防含む)
保健医療機関
病院・診療所
(歯科を除く)
健康保険法による指定を
受けている病院・診療所
(歯科を除く)
①訪問看護
(介護予防含む)
②訪問リハビリテーション
(介護予防含む)
③居宅療養管理指導
(介護予防含む)
④通所リハビリテーション
(介護予防含む)
保健医療機関
病院・診療所
(歯科)
健康保険法による指定を
受けている病院・診療所
(歯科)
①居宅療養管理指導
(介護予防含む)
保険薬局 健康保険法による指定を
受けている薬局
①居宅療養管理指導
(介護予防含む)

※通所リハビリテーション(介護予防含む)については,診療報酬の算定方法(平成20年厚生労働省告示第59号)別表第1医科診療報酬点数表の脳血管疾患等リハビリテーション料又は運動器リハビリテーション料に係る施設基準に適合しているものとして届出をしている病院又は診療所のみとなります。

「みなし指定」の適用を受ける事業については、指定申請の必要がありません。
ただし、訪問看護(介護予防訪問看護)・訪問リハビリテーション(介護予防訪問リハビリテーション)・通所リハビリテーション(介護予防通所リハビリテーション)のサービスについて、介護給付費を請求する場合には、他の介護サービス事業者と同様に、介護給付費算定に係る体制等に関する届出書(体制届)の提出が必要となります。

みなし指定を希望しない場合は、指定を辞退する事業について「指定を不要とする旨の申出書」を提出しなければなりません。

基準該当サービス

基準該当サービスとは

基準該当サービスとは、居宅サービス事業者・居宅介護支援事業者としての要件(法人格・人員・設備および運営基準)を一部満たしていない場合でも、保険者である市町村により当該事業者のサービスが一定の水準を満たしていると認められ、保険給付の対象とされたサービスをいいます。

基準該当サービスは、居宅サービス、居宅介護支援、介護予防サービス、介護予防支援について認められ、医療系サービスは対象外となります。

指定後の手続き

介護給付費の請求の届出

介護給付費の請求は,市町からその審査・支払に関する事務の委託を受けた各都道府県の国民健康保険団体連合会に対して行います。
国保連からの介護報酬の支払いは、サービス提供月の翌々月の月末となりますので、事業開始時には余裕をもった運転資金を確保しておく必要があります。

介護給付費支払いまでの流れ

介護給付費の請求の流れ

介護サービス事業者の業務管理体制整備に関する届出

平成20年の介護保険法改正により、介護サービス事業者は、法令遵守等の業務管理体制の整備が義務付けられています。
事業者が整備すべき業務管理体制は、指定又は許可を受けている事業所又は施設の数に応じ定められており、また、業務管理体制の整備に関する事項を記載した届出書を関係行政機関に届けなければいけません。

業務管理体制整備の内容 業務執行の状況の監査を定期的に実施
業務が法令に適合することを確保するための規定(法令遵守規定)の整備 法令遵守規定の整備
法令を遵守するための体制の確保にかかる責任(法令遵守責任者)の選任 法令遵守責任者の選任 法令遵守責任者の選任
事業所等の数 1以上20未満 20以上100未満 100以上

介護サービスの公表制度

介護サービスの利用者がニーズにあった適切な事業者の選択ができるように、また、利用者に評価・選択されることによって、事業者が提供するサービスの質の向上を図るために、介護サービス事業者には、その運営する事業所ごとに提供するサービスなどについての情報(介護サービス情報)の公表が義務付けられています。

変更について

事業所の名称、所在地その他厚生労働省令で定める事項に変更があったときは、その旨を10 日以内に指定を受けた自治体に届け出る必要があります。
また、介護老人保健施設の場合には、事前に変更許可が必要なケースがあります。

更新について

介護サービス事業者が指定基準などを遵守し適切な介護サービスを提供することができるかを定期的にチェックする仕組みとして、介護事業の指定には6年の有効期間が設けられています。そのため事業者は6年ごとに指定の更新を受けなければいけません。

ただし、過去に取消し処分を受けた事業者や人員、設備及び運営に関する基準に違反している事業者は指定更新を受けることができません。更新の欠格事由は指定を受ける際の欠格事由と同様です。
指定が更新された後も、指定更新年月日から起算して6年間が有効期間となります。